エンジンはどうか。S60のパワーユニットはユニークな直列5気筒DOHC20バルブで、それをフロントに横置きして前輪を駆動する。組み合わせられるトランスミッションは、マニュアルモード付きのギアトロニックと呼ばれる5段ATだが、最もおとなしいノーマル仕様でも、まったく不足のない動力性能を発揮する。だからS60は、安全で快適なだけのクルマではなく、運転を愉しめるボルボに仕上がっている。ボルボというともうひとつ、北欧スウェーデンのクルマらしく、インテリアのデザインも魅力のポイントになっている。団塊の世代の読者なら、「IKEA」の家具を記憶している方も少なくないだろう。私たち団塊のジェネレーションが結婚の時期を迎えて、「ニューファミリー」なる言葉が生み出された70年代半ばに、スウェーデンの「IKEA」をはじめとする北欧ファニチャーが本格的に日本に上陸して、当時の家具のイメージを劇的に変えた。白木を使った、明るくナチュラルで軽妙かつシンプルなデザインの家具を、日本に定着させたのである。で、S60をはじめとするボルボのインテリアには、そういった北欧家具のテイストが存分に盛り込まれている。すなわち、デザインはシンプルだが造りは上質で、色合いは明るく、いかにも家族のための空問といった雰囲気に満ちているのだ。しかもS60のキャビンは、クーペのようなルーフラインにもかかわらず、充分な居住空問が確保されている。つまりボルボS60は、長くて厳しい冬を快適に過ごすための北欧の家のようなアットホームな居住空間と、運転好きなオトーサンの欲求を満たすドライビンクの愉しさを両立させた、新世代のボルボ・セダンなのである。それに、個性的なスタイリングもS60の魅力のひとつだろう。ヨーロッパのミドルサイズプレミアムセダンのなかで、ドイツ車以外の選択肢を求めるなら、ボルボS60はお薦めの一台だといえる。
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