廉価大量販売という世界資本の論理は、クルマからどんどん原産国の香りを失っていく。ま、そいつは日本車に最たるもので、けっして人ごとではないのだが。唯一、フィエスタがフィエスタらしいのはその走りである。この1・6Lエンジンはなかなかパンチがあり、アイシンAW製の4速オートマチックとあいまって、きわめて小気味のいい走りをしてくれる。1・1tのボディに100馬力のパワーは十分で、とても活発だ。高速道路での直進安定性は、さすがアウトバーンの国生まれだけあってしっかりしており、右側レーンをかなりのペースで飛ばしても、少しも不安を与えない。乗り心地も高速域ではフラットになり、ここらあたりはフロアを共用するデミオとはひと味違う。燃費は高速道路中心に走って10km/L前後と、この小さなボディにしては感心しない数字だ。エンジンに大きな投資をしていないのだろう。同じく高速道路中心に走ったV8エンジンのクラウン・マジェスタとさして変わらないというのでは、少々情けないではないか。
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